印象派と
浮世絵
IMPRESSIONISM &
JAPONISM
ゴッホと北斎、モネと広重
Scene 01
江戸の町© bpk / Staatliche Museen zu Berlin, Museum für Asiatische Kunst, former collection of Hans-Joachim and Inge Küster, gift of Manfred Bohms, photography: Jürgen Liepe / AMF / amanaimages活気溢れる江戸を描いた「熈代勝覧」を最新映像技術で動画化。浮世絵が売られている店先へ。
Scene 02
ゴッホの
浮世絵コレクション© amanaimagesゴッホは浮世絵に魅了され、そこに描かれる「日本」に憧れを抱いていた。数百点近くに及ぶ彼のコレクションから一部を紹介する。
Scene 03
浮世絵の影響
「モチーフ」© Peter Barritt / Alamy Stock Photo /amanaimages, ©Alamy Stock Photo /amanaimages当時の西洋絵画では、市井の生活や風俗を描くことの価値は低かった。浮世絵はパリの若い画家たちに新しい視点を持ち込んだ。
Scene 04
東洋と西洋©Alamy Stock Photo /amanaimages, ©Heritage Images /amanaimagesヨーロッパの街並みと江戸の街並み。時空を越えて出会った東西の絵画に没入する。
Scene 05
浮世絵の影響「構図」© GrandPalaisRmn (musée d'Orsay) / Stéphane Maréchalle/ AMF /amanaimages, ©Bridgeman Images / amanaimages浮世絵の大胆な構図も、従来の西洋絵画には存在しない文法だった。印象派の画家たちはそのエッセンスを取り入れ新しい絵画に挑戦した。
Scene 06
連作©Bridgeman Images / amanaimages, © CAPSULE CORP. /amanaimagesセザンヌが好んで描いたサント・ヴィクトワール山。葛飾北斎の富嶽三十六景と対比して両者の類似と差異を探る。
Scene 07
ゴッホと浮世絵©Bridgeman Images/amanaimages浮世絵をこよなく愛したゴッホ。彼が残した数々の名画にはその痕跡が深く刻まれている。
Scene 08
印象派の夜明け©Bridgeman Images/amanaimages浮世絵から様々なインスピレーションを受けて、独自のスタイルへと発展させた画家たちの新しい絵画。「印象派」の誕生である。
坂上 桂子 サカガミケイコ
東京都生まれ。早稲田大学教授。専門は近現代アート。主な著作『ジョルジュ・スーラ 点描のモデルニテ』(ブリュッケ)、『ベルト・モリゾ ある女性画家の生きた近代』(小学館)等。
アニメや漫画以前にも、海外で日本のヴィジュアルカルチャーが脚光を浴びた時代がありました。19世紀、印象派からポスト印象派の時代です。モネが睡蓮の連作を描いたジヴェルニーの自邸の池には、日本の太鼓橋が架けられていました。美食家だった画家が日々食事を楽しんだのは、浮世絵で囲まれたダイニングでした。ゴッホはパリで浮世絵を集めましたが、その数は、数百点以上にものぼります。移住した南フランスは、ゴッホがイメージした日本の代替地にほかなりませんでした。彼らが活躍した時代、折しも日本は開国し、多くの美術品が万国博覧会や画商を通して国外に知られるようになります。やがて日本美術は、西洋の画家たちの目に留まり、豊富な着想源になったのでした。印象派、ポスト印象派の芸術においては、東西の異文化の出会いが、新たな創造を促したといえるでしょう。イマーシブミュージアムでは、大画面に映しだされる多彩な映像が、モネやゴッホが想像した浮世絵の世界へ皆さんをいざないます。北斎や広重、モネやゴッホが現代的映像と音楽でつながる独自の世界観 を、ぜひ楽しんでいただければ幸いです。